風俗おしごとコラム

「ちょっと変わっているかも?」隠れアスペルガー症候群

アスペルガー症候群は、
「対人関係の障害」
「パターン化した興味や活動」
「コミュニケーションの障害」
の3つの特徴を持ちます。
アスペルガー症候群の発生率は約4,000人に1人で、言葉の発達の遅れや知的発達の遅れがない場合を指す発達障害の1つです。
発達障害とは、生まれつき脳機能の発達のバランスが悪く、環境や周囲の人との関わりが苦手で、社会生活に困難が発生する障害のことです。
厚生労働省はアスペルガー症候群を、広い意味での「自閉症」のタイプの1つであると定義しています。(参考:厚生労働省HP)

アスペルガー症候群の原因

アスペルガー症候群が先天的な障害であることは確かですが、現代医学でもいまだにはっきりとした原因はわかっていません。
1番有力視されているのは「脳機能障害」で、脳内のネットワークの連結機能が上手くいかず、脳部位の機能異常、脳内物質の異常などが考えられます。
原因が遺伝子に関係することはわかっていますが、それだけが原因ではなく、さらになんらかの外的要因も加わった複数の要因が複雑に影響し合って場合にアスペルガー症候群が起こるとする仮説が有力です。

アスペルガー症候群の症状

アスペルガー症候群には、通称「3つ組の障害」と呼ばれる3つの特徴的な症状があります。

1、社会性の障害

周囲の人と関わる時に適切に振舞うことができず、人間関係において築いた関係を維持していくことが困難になります。
相手の気持ちや意図を想像したり、その場の「空気」や「暗黙のうちに成立している社会的ルール」を感じたり理解するのが苦手であるためです。いわゆる「KY(空気を読めない)」です。
そのために、よく周囲とトラブルになってしまいます。また、自分の感情を表現したり、自分の発言や行動が他人に与える印象を想像することが苦手で、率直に発言をしてしまいます。
このことから、アスペルガー症候群の人は「無神経な人」「常識のない人」と誤解されますが、本人に悪意はないため、他人からこのような評価を受ける理由が理解できないのです。
感じ方や認知の偏りがあるために、孤独感や疎外感を抱きがちです。

2、言語コミュニケーションの障害

通常、人は発する言葉以外にも、表情や身振り手振り、声のトーンなども使って微妙なニュアンスを表現します。しかし、これらのニュアンスやユーモアやお世辞、皮肉などを理解することが困難な傾向があります。
その結果、会話がギクシャクしたり、お世辞や社交辞令を言葉通りに受け取ってしまったり、冗談が通じないなどの理由で、気まずい雰囲気になってしまうことがあります。本などで覚えた難解な言い回しを日常会話でも使うことがあり、年齢や状況にそぐわないことから「変わった人」と思われます。
さらに、耳から入ってくる情報処理が苦手で視覚的な情報の方が理解しやすいという特性もあり、会話についていけなくなることもあります。

3、想像力の障害

自分だけのルールに強いこだわりを持っているため、自分のやり方や考え方を他人に変えられると困惑します。このことが原因で他人とうまくいかないことがしばしばあります。
予想外の事態に直面すると、不安になったりパニックを起こすことがあり、他人から「融通が利かない」「わがまま」「自己中心的」などと思われてしまいます。
また、物事の一部分にこだわってしまうがあまり、全体像を把握することも苦手な傾向があります。興味の対象が狭い範囲の物事に限られ、深く追求することを好みます。

「3つ組の障害」の現れかたは人によって違うため、性格や行動にはさまざまなタイプがあります。

・孤立型…1人でいることを好むタイプ

・積極奇異型…積極的に人と関わろうとするタイプ

・受動型…他人からのアクションがあれば応じるが、自分からは他人と関わろうとしないタイプ

特徴は人により全く異なり、年齢が進むとともに特徴が変化していきます。全く同じタイプの人は2人といないと言ってもよいでしょう。共通点として、「3つ組の障害」はどれも行動に関する障害で外見からは障害があることがわからないために、他人から「変わった人」という誤解を受けやすいのです。

アスペルガー症候群の特徴

「3つ組の障害」の他に、以下のような特徴も見られます。

1.感覚の過敏性に対する配慮

特定の感覚が他の人よりも敏感です。例えば、聴覚や視覚、嗅覚、触覚や味覚などが敏感な場合、他の人にとっては許容範囲である電話の呼び出し音や電車のアナウンス、他人の香水やタバコの匂い、電灯の明るさなどをストレスに感じてしまうことがあります。
また、慣れた肌触りを好むあまり同じ服ばかりを着たり、慣れた味を好んで偏食になったりすることもあります。仕事環境では、なるべくシンプルに整えると仕事がはかどります。

2.体のバランスが悪い

筋肉や関節の感覚が脳に伝わりにくい傾向があります。そのため運動が苦手であったり、手先が不器用であったり、姿勢が悪かったりすることがあります。他人からは動作がぎこちなく見えたり、乱雑な人だと思われてしまうことがありますが、本人の意思ではありません。

3.高い記憶力や集中力

高い記憶力や集中力を持っている人がいます。興味があることには何時間でも集中して取り組み、単純作業や反復作業も頑固としてやりぬく探究心の強さがあります。特定の分野で他人にはできないような業績をあげることもあります。

4.大人になってから苦労する人も

学校生活では達成すべきことや手順があらかじめ決められており、それらを難なくこなすことはできるので、学生時代には目立った問題が見られない子もいます。
しかし、大人になり社会に出ると、創意工夫や臨機応変な対応を求められる場面が増えるだけでなく人間関係もより複雑になり、特性による難がどんどん増えていき苦労をします。

5.グループでの業務・活動が苦手

授業や行事で一斉に同じ活動をしたり、クラスの中で他の子と適切な距離感を取りながら付き合うのが苦手なため、幼少期は幼稚園や学校などの集団生活に馴染めないことが多々あります。
仕事面では、1人で黙々と作業をするのは得意ですが、チームで業務を行うのが苦手な人が多くいます。チーム内で孤立してしまったり、周囲と足並みを揃えずに自分がいいと思ったことを独断で行い、他のメンバーを混乱させてしまいます。
よく「KY」と表現されますが、本人にはチームがどんな目標のためにどうやって動いているかを理解したり、それを踏まえて自分はどう動けばよいかを理解するのが難しいのです。結果、周囲からは非協力的な態度だと受け取られてしまいます。

6.やり取りが上手く噛み合わない

成長の段階で日常生活の読み書きや会話は十分できるようになっても、独特の言葉の使い方をすることがあります。少し表現が不自然な程度で、やり取りをしていても大きな問題にはなりません。
しかし、言われたことを独自に解釈して理解のズレが生じたり、わかりにくい表現をして相手に上手く伝わらないことがあり、仕事上で業務の指示を誤って理解したり、報告や相談をするときに話がわかりづらく支障が出ることがあります。
また、職場では状況が色々と変化するので、言われたことを理解し適切に対応するといった動的なコミュニケーションが求められるようになります。スピード感のあるやり取りだと理解が追いつかなかったり、言いたいことを直ぐにまとめて伝えられないことがあります。
学校では急な変化が少なく自分のペースで落ち着いてやり取りできる静的なコミュニケーションが多いため、学校生活では問題が目立たないのですが、社会に出てから困難が急に大きくなります。
言葉の使い方以外にも、会話をする中で相手がどんな気持ちでいるか表情などの様子から読み取ったり、読み取った相手の気持ちを踏まえて伝え方を修正することが苦手です。怒っている相手に火に油を注ぐようなことを気にせず伝えてしまうといったことが起こりがちです

他にも、会話を円滑に進めるために笑顔で応えたり共感の気持ちを態度で示すことが上手くできず、会話をしていてもよくない雰囲気になってしまうことがあります。

7.恋愛や結婚生活への支障

恋人や配偶者、家族はもっとも近い距離で関わる存在である一方、関わり方にマニュアルや正解はありません。相手の存在を自分の世界に受け入れ協力関係を築いていく必要がありますが、このプロセスでは相手の気持ちを想像したり、自分の気持ちを伝えたりと、苦手な要素を多く求められます。
適切な環境が作られていない場合は、本人と周囲の人間の双方が大きなストレスを抱えることになりかねません。

8.自己流で物事を進めたがる

特定の物事を手順通りに行うことに強くこだわります。自分の知らない手順だと、どんな結果になるか想像ができず、恐れや抵抗を強く感じてしまうためです。子供であればパニックになるほど混乱することもありますが、成長するにつれてそのような場面は減っていきます。
しかし、大人になっても自分が納得した方法で物事を進められない時には、やはり困惑してしまいます。仕事であれば、指示通りに作業をするよう言われていても、自分が気になってしまうと手が止まってしまいます。すると作業の効率が落ち、作業が完了できなくなることもあり、職場での評価が下がってしまうことがあります。

起こり得る二次障害

発達障害では、症状や特性とは別の症状である「二次障害」が起こることがあります。二次障害とは、発達障害がもととなって起こる疾病や障害のことです。本人は努力しているのにもかかわらず、他人から誤解されやすい傾向があるので、疎外感や無力感を抱いていたり、自信をなくすことがあります。
このような感情がうまく処理できずに高まっていくと、心身にも不調が現れ、以下のような二次障害が起こることがあります。

うつ病・強迫性障害・統合失調症・摂食障害・睡眠障害・心身障害・行為障害・引きこもり・頭痛・腹痛・対人恐怖・フラッシュバック

二次障害は、周囲の理解がない、努力による症状や特性の改善を求めることが本人を追い詰めることとなり、二次障害の発生につながります。周囲の理解と支援がある環境では、生きづらさは減り、二次障害の予防が可能であるとされています。

アスペルガー症候群って治療できるの?

アスペルガー症候群は原因と要因が明確ではないため、現段階では医学的な治療はないので完全に症状を治療することはできません。しかし、療育やトレーニングを受けることによってアスペルガー症候群の特徴を和らげたり、学校や職場でスムーズに対応できるようにはできます。
個々の特性に合わせたトレーニングや療育を積むことで実生活を過ごしやすくしたり、コミュニケーションがスムーズに取れるようになったりします。これらの治療を行うのと行わないとでは、普段の生活や本人が感じる生きやすさに明らかな差が出るとされています。
なるべく早めに本人の困難に気づき、診断を受けるなど専門家のサポートを受け、環境調整や療育などで適切な対処法を続けることが何よりの治療と言えるでしょう。

治療薬はある?

アスペルガー症候群のための治療薬は現時点では存在しません。社会生活を送る中で、人間関係などで困難が大きく二次障害が起きている人には、疾患や症状に応じて、二次障害に対する薬物療法が行われることもあります。脳と精神状態を確認しながら適切な薬を処方されますが、感覚過敏を抑えるために気分安定薬が処方される場合があります。
薬物療法で使用されることのある薬物には、抗うつ剤や抗精神病薬、睡眠導入剤や気分安定薬、抗てんかん薬などがあります。例えば人間の体内でホルモンや脳内神経伝達物質として働くオキシトシンを投与することで、自閉症のある人の社会性を改善するという臨床試験は国内の研究機関でも行われています。
しかし効果があるかどうかはまだ未知数であり、メカニズムも含め詳細はよくわかっていません。

認知療法

職場にアスペルガー症候群の人がいたら
投薬や療養トレーニングによる改善が乏しいようであれば、周囲が正しくアスペルガー症候群について理解をし、サポートすることで対応してあげなければなりません。職場にアスペルガー症候群の人がいる場合は、以下のような工夫により、業務をスムーズにおこないやすくなります。

1.特性について理解しておく

症状や特性は生まれつきの脳機能障害によるものであり、コミュニケーションを苦手とし、対人関係を築くのが不得意なので、本人の努力だけで対応や改善を求めることは望ましくありません。基本的な対応は、アスペルガー症候群の症状や特性を知り、それらを受け入れ、生かすことができる環境を作ることです。
愛情を示すことも苦手な場合がありますが、症状や特性についての理解を家族全員が共有し、周囲が正しくアスペルガー症候群について理解をすることがまず第一歩です。何度も言いますが、「コミュニケーションをとるのが苦手」と一種の特徴として考え、接しましょう。
改善してほしいことがある場合は、小さなことでも話し合い、一緒に解決していく姿勢が重要です。

2.相手の感情を認識できるようにサポートする

人の気持ちを理解することが不得意で、思ったことを悪気なくなんでも口に出してしまいます。そこで怒ってしまいがちなのですが、アスペルガー症候群の人は、なぜ叱られているか理解できません。
ただ怒るのではなく、はっきりと言ってはいけないことだと伝えます。
「〇〇さんに〇〇のことは言わないでね」
と具体的に伝えると理解して、言わなくなります。
相手の気持ちを認識できるように声掛けをしましょう。
「〇〇という言葉を言われると悲しい気持ちになるんだよ」
「〇〇さんは傷つくんじゃないかな?」
など、感情を認識させるという方向にシフトするように持っていきましょう。

3.ネガティブな気持ちを受け止めながら励ます

他の人とは違う、うまくできないなど悲観的になり、悩んだり落ち込んだりしやすいのも特徴です。「ダメ」「いけない」「〇〇しなさい」といった言葉は、たとえ日常会話で使っていたとしても、怒られているのではないかと過敏に感じる傾向があります。
そういう意図でなくても本人は「怒られてしまった」と自信を無くしがちになるので、否定語や命令形の言葉を使うのは避けるようにしましょう。

4.伝え方を工夫する

相手の表情や仕草をよみとり行動するのが苦手です。業務上必要な報告や相談なども誰に言って良いのかわからなかったり、遠回しの表現を理解するのに困難を示します。指示するときやコミュニケーションをとるときは、特性を理解し、その人にとってわかりやすい方法を考えましょう。
窓口や相談相手となる人を決めておき、指示を出すときはその人から可能な限り1対1で出すようにすれば混乱が少なくなります。

指示は分かりやすくはっきりと
わかりやすく短い言葉で具体的に指示を出してあげましょう!具体的な指示を出された場合はきちんと行動できることが多いです。「椅子に座ろうね」「電気を消してね」など、指示は1つずつ出すと混乱を防ぐことができます。

視覚的な伝え方をする
耳からの情報処理が苦手で、目からの情報の方がわかりやすいという特性があります。口頭での説明が長くなると途中で理解できなくなったり、指示がよく聞き取れなくなったりしますので、メールやメモなどの文書、ジェスチャーや写真、イラストなどの視覚情報を用いて視覚的にサポートしてあげましょう。

複数業務を同時に指示しない
複数のことがらを同時進行することが苦手です。業務の手順を順を追って説明しても、どの手順が優先なのかわからなくなります。これは、一度に多くの情報を処理することが難しいためです。業務は可能な限り1つずつ指示し、手順などの説明の場合は図なども使って示しましょう。

具体的・簡潔明瞭な指示、明確な目標や到達点を指示する
物事の全体像を把握することが難しい傾向があります。このため、到達点を決め、それに向かって自分で段取りを組むことも苦手です。また、抽象的な表現は理解が難しいので、1つの業務の到達点を示し、具体的で簡潔明瞭な指示を出すと良いでしょう。

5.「怒る」のではなく「教える」ように努める

感情的に怒っても内容は伝わらないので、「怒られた」というネガティブな気持ちだけが残ります。怒るのではなく、教えるというスタンスの基、どのように生活すべきかを具体的に教えるようにしましょう。
1度に多くの物事に取り組むのではなく、1つずつこなしていけるように課題を提示し、曖昧な表現は避け、短い言葉で指示を出しましょう。

特性を理解し、良いところを伸ばしてあげましょう

原因がはっきりとしていないことから、治療や薬に関して不安になってしまいます。ですが、アスペルガー症候群は長所や強みを伸ばせば「天才肌」「芸術肌」と呼ばれる才能ある大人に成長することもあります。

アスペルガー症候群の人が得意な仕事・職業

日常や仕事で不都合なことが起きやすいですが、その特徴のおかげで逆に業務の上で長所として発揮できることもあります。「社会性の弱さ」のために周囲の視線や暗黙の了解にとらわれることなく、いい意味で周りを気にせずに自分の仕事に打ち込める人もいるでしょう。

自身の「こだわり」が業務で求められている方針と一致すれば、きっちりとルールを守り継続して同じ作業を続けられることを評価してもらえる職場も多いです。
また、多くの人が見逃しがちな細かい部分に気づいたり、他の人が面倒に思いがちな工程も抜け漏れなく行う特徴を持っているので、正確さを求められる業務では重宝されるはずです。
他にも人には嘘がつけず裏表のない実直な方が多く、まじめに仕事に取り組む姿勢はどんな業務でもプラスに評価されます。

できないことを責めるのではなく、良い面を評価する

業務上でミスがあった場合、そのミスを指摘し、ミスが繰り返されないように指導がおこなわれることも日本の職場では多いです。しかし、アスペルガー症候群の人は叱責を受けると、強い不安を感じたり、必要以上に自己評価が下がってしまうことがあります。

これは、想像力の障害から、言葉を文字通りにとってしまう傾向があるために、自分の全人格を否定されたように思ってしまったり、自分が叱責されている理由がわからずに混乱してしまうからです。
ミスがあったときは「どうすれば良かったのか」ということも同時に伝えましょう。また、強い言葉はできるだけ使わない配慮も必要です。あわせて良い面も評価し、それを本人にも伝えることで自信を持ち、能力を仕事に生かしやすくなります。

まとめ

アスペルガー症候群の症状や特性が、仕事や恋愛などの場面でさまざまな困難を引き起こします。周囲の人の理解と支援を得て、特性を生かすことのできる環境を作ることで、アスペルガー症候群の人の生きづらさは減り、特性を才能として生かしていくことも可能です。
ときには第三者の力や公的支援も利用しながら、アスペルガー症候群の人が過ごしやすい環境を少しずつ作っていきましょう。

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